いろんな評論で「共感を呼ぶ」とか「Z世代の心をつかんだ」とか言われてますけど、正直そういう話より前に、まず顔がかわいいんです。丸い。ちょっと垂れてる目。小さい口。あのフォルム。見た瞬間に「あ、かわいい」って思う。それが最初で、それがいちばん大きい理由です。
そのうえで、好きなところが増えていったという順番なんですよね。かわいいから見る。見ていたら、しょんぼりしてるのに気づく。しょんぼりしてるのに、次のコマではまた頑張ってるのに気づく。そうやってどんどん好きになっていった感じです。
とにかく、造形がかわいい
まずここを言わせてください。おぱんちゅうさぎ、デザインが完璧です。
体は丸くて、ちょっとぽてっとしてる。耳は長すぎず短すぎず、垂れてるでもピンと立ってるでもない絶妙な角度。目は少し垂れてて、口は小さい。この配置がもう完成してるんですよ。どこも足りないし、どこも余ってない。
色もいいです。あの白というかクリームというか、ちょっとくすんだ淡い色。派手じゃないから、どんな背景でもなじむ。ガチャのフィギュアになっても、部屋のどこに置いても浮かない。これはデザインの強さだと思います。
あと、名前の由来でもある「おぱんちゅ」の部分。あれがあることで、なんとも言えない微妙な生活感が出てるのがいいんですよね。かわいい系キャラなのに、ちょっとだけ生々しい。この一点があるだけで、他のマスコットキャラとぜんぜん違う存在になってます。
だから最初に言っておきたいのは、「かわいそうだから好き」じゃないんです。「かわいいから好き」なんです。しょんぼりしてるのも、かわいいからこそ効くわけで。
もしこれが可愛くないうさぎだったら、報われなくても誰も気にしてなかったと思うんですよね。かわいいのに報われてない、というのがずるいんです。
で、しょんぼり顔がまたかわいい
ここが本当にすごいところなんですけど、おぱんちゅうさぎは「悲しい顔がかわいい」んです。これ、キャラクターとしてかなり特殊だと思います。
公式の紹介文が「いつだってひたむきで一生懸命。みんなのために頑張るけれど、努力が全部報われない……。哀愁漂うしょんぼり姿に共感が集まる」となってるんですけど、この「哀愁漂うしょんぼり姿」がとにかく可愛いんですよ。眉の角度と目の潤み具合で、あんなに愛らしくなるものかと。
そして見ていくと、このうさぎ毎回ちゃんとやる気があるんですよね。動いて、失敗して、また次も動く。「もういいや」って言わない。かわいい顔でずっと頑張ってる。そこも好きになります。
かわいい以外に、好きなところ
おぱんちゅうさぎの表情、めちゃくちゃ細かいんです。同じ「しょんぼり」でも、困ってるしょんぼり、悲しいしょんぼり、申し訳なさそうなしょんぼり、全部ちゃんと違う。
とくに好きなのが、目に涙が溜まってるけどまだこぼれてないやつ。あれずるいです。こぼれてないから「まだ我慢してる」ってわかっちゃう。もう泣いちゃえばいいのに、と思いながら見てます。
ガチャのフィギュアでもこの表情がちゃんと再現されてるのがすごくて、小さいのに「あ、これはあきらめてる顔だ」とか「これは頑張ろうとしてる顔だ」ってわかる。造形担当の人、絶対おぱんちゅうさぎ好きだと思います。
作者名が「可哀想に!」なんですけど、これ本当にうまいと思うんです。
「可哀想」だけだったら重いんですよ。でも「可哀想に!」ってビックリマークがつくと、なんかちょっと軽くなる。突き放してるようで、でも見捨ててない。この距離のとり方が、作品ぜんぶのトーンを決めてると思います。
ガチャや一番くじでもシリーズ名が「可哀想に!」で通ってて、売り場で見かけると「あ、可哀想に!のやつだ」ってなる。作者名がブランド名になってるって、なかなかないですよね。
作者の可哀想に!さんのインタビューを読んで納得したことがあります。
小学2年生くらいからネットを見ていた、という話です。おぱんちゅうさぎのあの間(ま)とか、オチの落とし方って、たしかにネットのノリなんですよね。だから刺さるスピードが速い。
あと、元はドーナツ屋さんになりたかったけど、絵がうまいと言われてマンガ家を志して、友だちと「第二の『ちゃお』」みたいな雑誌を作っていたっていうエピソードも好きです。少女マンガのかわいさが土台にあって、そこにネットの悲哀が乗ってる。だからあの絵になるんだな、と。
おぱんちゅうさぎの話をするとき、んぽちゃむのことも言わせてください。
ガチャでもグッズでも、この2人はだいたいセットで出てきます。まちぼうけシリーズでも一番くじでも一緒。で、この「ひとりじゃない」というのが、実はけっこう救いなんです。
報われない世界にいるけど、隣に誰かいる。それだけで全然違う。2体並べてデスクに置いてると、なんとなくそう思います。
ガチャで出てくると、なんか嬉しい
ガチャという文脈でおぱんちゅうさぎを語ると、もうひとつ言いたいことがあって。
ガチャって、だいたい報われないんですよ。狙ったやつが出ない。ダブる。シークレットは永遠に出ない。回してるこっちも毎回しょんぼりしてる。
そこにおぱんちゅうさぎが出てくるんです。報われなかったガチャから、報われないうさぎが出てくる。これ、なんかもう正解じゃないですか。欲しいのが出なかった日でも、しょんぼりした顔を見ると「まあ、そうだよね」って気持ちになる。
いま出てるガチャの話
プリンやケーキ、ソフトクリームになったおぱんちゅうさぎ。全4種でどれもお皿付き。かわいいスイーツに包まれてるのに顔はしょんぼりしてるのが最高です。甘いものに囲まれてもダメなんだ、と思うとちょっと笑えます。
「夕暮れの中でちょこんと座り、ずっと何かを待っているようなポーズ」という説明の通り、これがいちばん切ないシリーズだと思います。まちぼうけって、来ない人を待ってるってことですからね。コンセプトとキャラの相性が完璧すぎる。
肩に乗せて甘えるポーズのシリーズに参戦。おぱんちゅうさぎが甘えてくるって、それはもうこっちが受け止めるしかないです。デスクの端に乗せてます。
制服姿のおぱんちゅうさぎ、んぽちゃむ、きみまろたち。「えんじょい★スクールライフ!」ってタイトルが明るすぎて、逆に不安になるやつです。たぶんエンジョイできてないと思います。
結局、なんで好きなのか
ここまでいろいろ書いてきましたけど、最後にもう一回言わせてください。かわいいからです。
報われないところが共感を呼ぶとか、頑張ってるところが尊いとか、そういう話は全部あとから出てきた理由なんですよね。最初に「かわいい」があって、好きになって、そのあとで「そういえばこういうところもいいな」が積み上がっていった。順番はこれです。
だから難しく考えなくていいと思うんです。丸くてしょんぼりしてる顔がかわいい。それだけで、グッズを買う理由としては十分すぎます。
ちなみにフォロワーは70万人を超えてるらしいので(2023年9月時点)、あの顔をかわいいと思ってる人が世の中に70万人以上いるということです。みんな同じところに反応してるんだと思います。
📎 参考情報・出典
- Forbes JAPAN「『おぱんちゅうさぎ』が大ヒット 可哀想に!がZ世代の心をつかむ理由」
https://forbesjapan.com/articles/detail/66135 - KADOKAWA「おぱんちゅうさぎ」商品ページ(2024年3月14日発売)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322210001418/ - プライズナビ「【おぱんちゅうさぎ】ガチャガチャまとめ 2026年最新」
https://prizenavi.com/1502/ - キャラグー「おぱんちゅうさぎのガチャガチャ新作・発売予定まとめ」
https://charagoo.jp/opanchu-capsuletoy/ - ブシロード オンラインストア「おぱんちゅうさぎ(可哀想に!)」
https://bushiroad-store.com/collections/kawaisoni
