ガチャのラインナップを眺めていると、たまに「え、これまだある?」と手が止まるものがある。令和の今、平成のキャラクターたちが続々とカプセルに入って帰ってきている。

Googleトレンドの調査によると、2026年6〜7月にかけて「カクレモモジリ ガチャガチャ」が+2,200%、「おジャ魔女どれみ ガチャガチャ」「おでんくん ガチャガチャ」「シュガーバニーズ ガチャガチャ」といった平成キャラのガチャ検索が軒並み大幅上昇している。懐かしキャラが令和のガチャコーナーに戻ってきている——この現象はなぜ起きているのか。商品情報とあわせてまとめた。

令和に帰ってきた平成キャラたち

🌿 こびとづかん
🔥 Breakout / +2,200%
カクレモモジリ
原作:なばたとしたか(2006年〜) / アニメ:2014年〜NHK

「こびとづかん」シリーズの人気キャラクター。桃のような尻尾を持つ赤いこびとで、物の隙間に隠れているという設定が独特だ。今回のトレンド急上昇の最大の理由が、2026年7月1日(水)に「カクレモモジリコレクション」として新作ガチャが発売されたことだ。

「カクレモモジリコレクション」
発売日:2026年7月1日(水)〜順次/価格:400円
全6種(うちシークレット1種)/発売元:Qualia
ラインナップ:ぱっかん・てくてく・だきつき・うれしい・あかちゃん・シークレット

2006年に絵本として誕生したこびとづかんシリーズは、「こびとを探す」というコンセプトが子どもの想像力を刺激して大ヒット。当時の子どもたちが今や20代になり、懐かしさと一緒に購買層として戻ってきているのが今回の急上昇の正体だ。

→ シークレット1種込みの全6種をコンプリートするには平均3,000〜4,000円前後かかる計算。シークレット封入率は公表されていないため「何回引けば出るか」は運次第。

🪄 おジャ魔女どれみ
📈 +130% / 毎月新作展開中
おジャ魔女どれみ
アニメ:1999年〜2003年(東映アニメーション)

1999年から2003年に放送されたNHKおよびテレビ朝日系列のアニメ。25周年(2024年)を機に大規模な復活プロジェクトが動き始め、ガチャも驚くほどの頻度で新作が出続けている。2025年以降だけで、めじるしアクセサリー(5弾まで)・ミニチュアパッケージコレクション・ミニチュアライトセレクション・ポロンタップコレクション・コンパクトミラー・BIG METAL RINGなど、ほぼ毎月のペースで新作が登場している

現在展開中の主なシリーズ(バンダイ ガシャポン)
おジャ魔女どれみ ミニチュアパッケージコレクション / 400円
おジャ魔女どれみ めじるしアクセサリー5 / 300円
※アニメ放送当時の玩具パッケージを手のひらサイズで再現したシリーズが特に人気

「ポロン」や「タップ」といった当時の変身アイテムがミニチュアになって手元に戻ってくる——この「あの頃のアイテムをもう一度手に入れる」体験が、20代後半〜30代のファンに刺さっている。

→ サンリオキャラとのコラボシリーズも複数展開中。どれみのキャラクターがサンリオのキャラとコラボするという組み合わせに「2000年代が詰め込まれている」という声も。

🍢 がんばれ!おでんくん
📈 +250% / 2026年6月下旬新作発売
おでんくん
原作:リリー・フランキー / アニメ:2005年〜2009年(NHK教育)

リリー・フランキー原作の絵本から生まれたキャラクター。おでん屋台の鍋の中の「おでん村」を舞台に、おでんの具たちが繰り広げる温かい物語だ。ブライトリンクから「がんばれ!おでんくん めじるしマスコットコレクション」が2026年6月下旬に発売。価格は400円、全6種のラインナップだ。

「がんばれ!おでんくん めじるしマスコットコレクション」
発売:2026年6月下旬/価格:400円/全6種/発売元:ブライトリンク
ラインナップ:おでんくん・たまごちゃん・ガングロたまごちゃん・ちくわぶー・おじさん&ペロ・おでんくん(+お箸パーツ)

「ちくわぶー」「だいこん先生」など、おでん具材がそのままキャラクターになっているというシュールな世界観が今見ると逆にかわいく見える。NHK教育(現Eテレ)で2005年から放送されていたため、当時の視聴者が今やすっかり大人になっている。

→ 2025年10月に発売されたポーチ&巾着コレクションが好評だったため2026年3月に再販。めじるしマスコットはその流れを受けた新シリーズ。おでんくんの復活はまだ続きそうだ。

🎪 ぐ〜チョコランタン
📈 2026年7月 新作展開
ぐ〜チョコランタン
NHK教育テレビ「おかあさんといっしょ」:2001年〜2009年

「おかあさんといっしょ」のマスコットキャラクターとして2001年から2009年まで活躍したピエロ型のキャラクター。スプー・ズズ・アネム・ガタラットが仲間で、当時の「おかあさんといっしょ」世代にとっては記憶の深いところにいる存在だ。

「ぐ〜チョコランタン ぬいぐるみポシェット」
2026年7月展開/発売元:夢屋/全4種

2009年に番組を卒業して以来、グッズ展開が限られていたぐ〜チョコランタンが、令和のガチャコーナーに戻ってきた。「懐かしすぎて泣きそう」という声がSNSで流れるタイプの復活で、平成キッズの購買力を直撃している。

→ 「おかあさんといっしょ」世代(1990年代後半〜2000年代前半生まれ)が今ちょうど20代前半〜30代になっているというタイミングが重なっている。

🐰 シュガーバニーズ
📈 +300%
シュガーバニーズ
サンリオ / 2004年〜

2004年にサンリオが展開を開始した、ウサギをモチーフにしたキャラクター。甘くておしゃれなテイストで、2000年代に女子中高生を中心に人気を集めた。ハローキティやシナモロールほど前面には出ていなかったが、「知っている人には刺さる」サンリオキャラの一つだ。

シュガーバニーズ ガチャガチャ
2026年7月前後に検索急増(+300%)
※具体的な商品情報は順次発表予定

サンリオは近年、過去の人気キャラクターを「平成レトロ」として掘り起こすグッズ展開を積極的に行っている。「平成ファンシーキャラクターズ オーロラアクリルコレクション」(300円)のような平成サンリオキャラをひとまとめにしたシリーズも登場しており、シュガーバニーズもその文脈で動いている。

→ 「平成サンリオ」としてひとくくりにされる流れが加速中。シュガーバニーズ単体ではなく、同世代の懐かしキャラとセットで需要が生まれているケースが多い。

✦ 平成懐かしキャラ復活の本質 ✦
「子どもの頃に好きだったキャラが、
大人になってから
300円で手に入る。
これが反則なんだ。」
── 平成キッズ・現在30代より

なぜ今、平成キャラがガチャで復活するのか

この現象には、シンプルな理由がある。1990年代後半〜2000年代に子どもだった世代——現在25〜40歳——が、今まさに購買力を持つ大人になっているからだ。かつておこづかいの範囲でしか手に入れられなかったグッズを、大人になった今なら自由に買える。その解放感と懐かしさが組み合わさったとき、ガチャという「ちょっとした衝動買い」と相性がいい。

さらに、SNSの「懐かしい!」という共感投稿が購買のトリガーになりやすいという構造もある。誰かがガチャを回して「おでんくんが出た」と投稿すると、知っている人たちが「まだあるの?」「買いたい」と反応する。そのサイクルが検索急増を生んでいる。

COLUMN / 平成キャラがガチャで復活する理由、もうひとつ

IPオーナー側にとっても、ガチャは「試しやすい形式」だ。大規模なアニメの復活や映画化は時間もコストもかかるが、ガチャなら小ロットで市場の反応を確かめられる。「ガチャが売れた」という事実が、次のIP展開の根拠になる。

だからこそ、「かつて人気があったけど今は表に出ていないキャラ」がガチャから復活するケースが増えている。ガチャはIPの「テスト市場」でもある——ということを、復活したキャラたちが教えてくれている。

懐かしさとの出会い方が、ガチャになった

フリマアプリのメルカリで当時のグッズを高額で探すより、ガチャコーナーで400円出せば「あの頃のキャラ」が手に入る。精巧に作られた現代のミニチュアで、記憶の中のキャラクターと再会できる。それがガチャという形式のちょうどよさで、懐かしコンテンツの復活手段としてこれほど手軽なものはない。

カクレモモジリ、おジャ魔女どれみ、おでんくん、ぐ〜チョコランタン——これらは令和になって急に「流行った」のではなく、ずっと記憶の中にいた。ガチャがその扉を開けただけだ。次にガチャコーナーを通りかかったとき、「あれ、知ってる」と思うものに出会えるかもしれない。

✦ 平成を、カプセルに入れて持ち歩く

おでんくんのめじるしマスコットをバッグにつけて会社に行く。「それ、おでんくんじゃない?」と同僚に言われる。「知ってるの?」「NHK見てた!」——そんな会話が生まれる。

懐かしいキャラのガチャは、単なるコレクションではなく「あの頃を共有した人との接点」になる。300〜400円のカプセルに、平成の記憶がぎゅっと詰まっている。

📎 参考情報・出典