「あと1個」は希望の言葉ではない。呪いの言葉だ。
全8種のうち7種が揃った。残り1種。確率的には次で出てもおかしくない。でも出ない。また出ない。また同じやつが出る。——この状態が、ガチャのすべての苦しみの中で最も長く続く。「あと1個でコンプ」という言葉は、一見すると「もう少し」に聞こえるが、実態は「ここからが本当の戦いだ」という宣戦布告だ。
現在地を確認する
でも「確率上は」と「実際には」の間には宇宙が広がっている。
「あと1個」になってからの心の変化を記録する
7種目を手に入れた直後。達成感と期待感が共存している最も幸福な瞬間。「あと1個」という言葉がまだ明るく響いている。財布にある500円玉を見て「これで完成する」と思っている。
既に持っているキャラが続けて出てくる段階。「確率的にそろそろ出るはず」という言葉を自分に言い聞かせ始める。ダブりの数が増えてきた。
条件付きの誓いが始まる。「次で出なかったら」という条件が、出なかったときに「じゃあもう1回」にすり替わることは本人も薄々わかっている。でも言わずにはいられない。
特定のキャラが異常に出続ける段階。「封入率が均等のはずなのに」という憤りが生まれる。封入率は理論値であって保証ではないという事実は、この段階では通用しない。
「コンプ」という概念そのものを疑い始める段階。「7種持ってても十分幸せじゃないか」「1種揃わなくてもいいじゃないか」という思想が芽生える。でも回している。
完全に諦めた、と宣言する段階。シークレット追跡コラムでも指摘したが、この「諦めた」宣言の直後に出ることが多い。ガチャは最後まで人を試す。
その間に積み上がったもの
No.4が8個あるという事実が象徴している。このキャラに何の恨みもないのに、今や見るたびに「またお前か」と思ってしまう。ガチャが人と特定のキャラの関係を悪化させることがある。それはメーカーの誰も意図していない副作用だ。
同じキャラが8個あるとき、人はどうするか。捨てられない。メルカリで売るほどの価値でもない(同じ悩みを持つ人が大量に出品しているため相場が低い)。あげる相手もそう多くはない。
結論:棚の隅にひとまとめにして置いておく。「ダブりコーナー」という謎のゾーンが部屋に誕生し、それが後に「ダブりの家」になり、次第に「ダブり王国」へと成長する。この問題は別のコラムで扱う予定です。
そして、出た。
出た瞬間の感情は、「嬉しい」というより「終わった」に近かった。棚に8種類を並べた。きれいだった。達成感があった。
その達成感が続いた時間を正確に計測した。
残りの96%は「あと1個」の苦しみが占めていた。
そして、始まる。
コンプリートは「終わり」ではなく「次への入口」だった。27日間の苦しみで学んだはずのことは、新しいラインナップを見た5秒後に完全にリセットされた。人間の学習能力には個人差があるが、ガチャに関しては例外なく機能しないようだ。
