「あと1個」は希望の言葉ではない。呪いの言葉だ。

全8種のうち7種が揃った。残り1種。確率的には次で出てもおかしくない。でも出ない。また出ない。また同じやつが出る。——この状態が、ガチャのすべての苦しみの中で最も長く続く。「あと1個でコンプ」という言葉は、一見すると「もう少し」に聞こえるが、実態は「ここからが本当の戦いだ」という宣戦布告だ。

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📊 コンプ進捗状況(全8種)
残り 1種。 確率上は次の1回で出る可能性がある。
でも「確率上は」と「実際には」の間には宇宙が広がっている。

「あと1個」になってからの心の変化を記録する

DAY 1 / 希望期
「もうすぐ揃う。次で出るかも。」

7種目を手に入れた直後。達成感と期待感が共存している最も幸福な瞬間。「あと1個」という言葉がまだ明るく響いている。財布にある500円玉を見て「これで完成する」と思っている。

DAY 3〜5 / 困惑期
「え、またこれ? もう3回目なんですけど。」

既に持っているキャラが続けて出てくる段階。「確率的にそろそろ出るはず」という言葉を自分に言い聞かせ始める。ダブりの数が増えてきた。

DAY 7〜10 / 交渉期
「次で出なかったら今日はやめる(出なかったら続ける)」

条件付きの誓いが始まる。「次で出なかったら」という条件が、出なかったときに「じゃあもう1回」にすり替わることは本人も薄々わかっている。でも言わずにはいられない。

DAY 14〜 / 怒り期
「なんでこれが8回目なんだ。1種類に偏りすぎじゃないか。」

特定のキャラが異常に出続ける段階。「封入率が均等のはずなのに」という憤りが生まれる。封入率は理論値であって保証ではないという事実は、この段階では通用しない。

DAY 21〜 / 哲学期
「そもそも全種揃えることに意味はあるのか。」

「コンプ」という概念そのものを疑い始める段階。「7種持ってても十分幸せじゃないか」「1種揃わなくてもいいじゃないか」という思想が芽生える。でも回している。

最終章 / 諦念期
「……もういい。縁がなかった。諦めた。」

完全に諦めた、と宣言する段階。シークレット追跡コラムでも指摘したが、この「諦めた」宣言の直後に出ることが多い。ガチャは最後まで人を試す。

⏱️ 「あと1個」から「諦めた」に至るまでの平均日数は、個人差が大きすぎて計測不能です。5分で諦めた猛者もいれば、2ヶ月後にまだ追っている記録保持者もいます。

その間に積み上がったもの

📋 ダブり台帳(「あと1個」期間中の記録)
No.1 ノーマルA(最初に出たやつ)4個
No.2 ノーマルB3個
No.3 ノーマルC3個
No.4 なぜかこれだけ特に多い8個
No.5〜7 その他各2〜3個
No.8 ★ 欲しいやつ0個

No.4が8個あるという事実が象徴している。このキャラに何の恨みもないのに、今や見るたびに「またお前か」と思ってしまう。ガチャが人と特定のキャラの関係を悪化させることがある。それはメーカーの誰も意図していない副作用だ。

COLUMN / ダブりの行き場問題

同じキャラが8個あるとき、人はどうするか。捨てられない。メルカリで売るほどの価値でもない(同じ悩みを持つ人が大量に出品しているため相場が低い)。あげる相手もそう多くはない。

結論:棚の隅にひとまとめにして置いておく。「ダブりコーナー」という謎のゾーンが部屋に誕生し、それが後に「ダブりの家」になり、次第に「ダブり王国」へと成長する。この問題は別のコラムで扱う予定です。

そして、出た。

✦ C O M P L E T E ✦
全種、揃いました。
(「あと1個」から27日後 / 追加費用:約8,500円 / ダブり:24個)

出た瞬間の感情は、「嬉しい」というより「終わった」に近かった。棚に8種類を並べた。きれいだった。達成感があった。

その達成感が続いた時間を正確に計測した。

🏆 コンプリート達成感の継続時間
 
全体を100とすると、約4%の期間しか「達成感」は続かない。
残りの96%は「あと1個」の苦しみが占めていた。

そして、始まる。

📢 その翌日 / 公式Xより
「新シリーズ発売決定!全10種(うちシークレット2種)」

コンプした翌日に公式がポストした。全10種。シークレット2種。ラインナップを見た。かわいかった。

——「……あ、これ全部欲しいな。」

コンプリートは「終わり」ではなく「次への入口」だった。27日間の苦しみで学んだはずのことは、新しいラインナップを見た5秒後に完全にリセットされた。人間の学習能力には個人差があるが、ガチャに関しては例外なく機能しないようだ。

✦ 「あと1個」は永遠に終わらない

あるシリーズの「あと1個」を乗り越えたと思ったら、次のシリーズの「あと1個」が始まる。コンプしても、次のシリーズのスタート地点に立つだけだ。ガチャにおけるコンプリートは、マラソンの折り返し地点みたいなものだと気づいた。

それでも揃えたくなる。並べたくなる。その気持ちはどこから来るのか今でもわからないが、新しいシリーズのラインナップを見てしまったので、もうしばらく考える時間がない。